2005年10月21日

私的1980年代洋楽・9/スクリッティ・ポリッティ

さて、今回はスクリッティ・ポリッティについて。

ちょっと馴染みの薄いグループ名だとは思いますが、
1980年に登場したイギリス出身のグループです。
グリーン・ガートサイドを中心に、
最初はポストパンク世代の一員程度の扱いだったのですが、
1984年にグループが事実上グリーンのプロジェクトになってから、
彼らは大きく方向転換していきます。

中心人物のグリーン・ガートサイドは、
1977年に「F・Gangs」というバンドを作ります。
これがスクリッティ・ポリッティの母体のような格好になるんですが、
当時の彼らはパンクの範疇にしかいなかったわけで、
(実際、ろくに演奏はできなかったようです)
しかも1979年にグリーンが病気にかかってしまい、
そこでバンドは活動休止。
グリーンは故郷のウェールズで療養をすることになりました。

この療養期間中にR&B、ファンク、ヒップホップなど
様々な音楽に接し、影響を受けたグリーンは、
身体が良くなると昔の仲間たちを集めて
スクリッティ・ポリッティを結成することになります。
ちなみにこのグループ名、イタリアのマルクス主義者である
グラマシが語った政治的な文章を意味する言葉なんだそうです。

で、スクリッティ・ポリッティは、
イギリスのインディーズの雄として名高いラフ・トレードから
(あのザ・スミスやアズテック・カメラなどもここの出身)
2枚のEP盤をリリースし、
1982年には『Songs To Remember』というフルアルバムを出します。
最大8人にまで膨れ上がったメンバーによって演奏された、
何処か混沌とした雰囲気のポップソングを9曲収録したアルバムでした。

ただ、グループの基盤はきわめて脆弱だったらしく、
メンバーの入れ替わりも多く、アルバムが出てからしばらくして、
遂にグリーン以外全員がバンドを去ってしまいます。

独りになったグリーンは、ひょんなことから
デヴィッド・ガムスンというミュージシャンと知り合うことになります。
このガムスンとの出会いは、結果的にグリーンの世界を広げました。
NY在住のガムスンをロンドンに呼んだり、
逆にグリーンがNYに出かけたりなどを繰り返すうちに、
新生スクリッティ・ポリッティとしての活動が始まりました。

その第1弾シングル「ウッド・ビーズ」は1984年2月に出ましたが、
プロデューサーに大物、アリフ・マーディンを迎えて、
大胆に抜けの良いダンスサウンドに
グリーンの絶妙に線の細い歌唱が乗るという
いきなり完成度の高いコラボレーションを作り出しました。
その後、「アブソルート」でも再びマーディンと組み、
「ヒプノタイズ」ではグリーン、ガムスンに加えて、
新加入のフレッド・メイハーによるセルフプロデュースを行っています。

そして翌年に出たアルバム『Cupid & Psyche 85』によって、
スクリッティ・ポリッティは文字通りブレイクすることになりました。

その後、マドンナが主演した映画「Who's That Girl」の
サウンドトラックに曲を提供し、
その曲を含めた3枚目のアルバム『Provision』を出したあと、
(マイルス・デイヴィスやロジャー・トラウトマン参加の意欲作)
パタッと音信が途絶えてしまいます。

結局、メイハーやガムスンとも袂を分かったグリーンは、
1991年にB.E.F.と組んでラガマフィンテイストのカヴァーシングル
「She's a woman」と「Take me in your arms and love me」を
(前者はビートルズ、後者はグラディス・ナイトがオリジナル)
リリースしたのを最後に、スクリッティ・ポリッティとしての活動を
一時的に封印することになってしまいました。
グリーンはその後、B.E.F.の企画に参加したんですが、
そのグリーン自身も表舞台から姿を消してしまいました。
(グリーンとB.E.F.についてはこちらのエントリも参照してください)

そんな中で1999年に、オリジナルアルバムとしては実に11年ぶりの
『Anomie & Bonhomie』がリリースされたんですが、
これがまた従前のサウンドとは似ても似つかない、
というよりはグリーンが11年の間に蓄積してきた新たな要素が、
モス・デフ、ミシェル・ンデゲオチェロという新顔のゲストを加えて
(ンデゲオチェロはストーンズの『Bridges to Babylon』にも参加)
一気に開花したという印象があります。

というわけでお勧めするのは、
『Songs To Remember』(1982年・右)
『Cupid & Psyche 85』(1985年・左)
という2枚です。

 
posted by KAZZ at 22:01 | 島根 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | その他音楽 このエントリーを含むはてなブックマーク
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