2004年08月31日

デ・リマは輝かしかった

既に先頭の選手は独走態勢を築き、
見ている方もな〜んとなく緊張感が薄れてきたかな〜
などと思っていた矢先に、その事件は起きた。

「あっ!人が出てきた!」
実況アナウンサーがイレギュラーな状況を見て
思わず興奮気味にまくし立てるのに気づいた私は、
アテネ五輪男子マラソンを放映中のテレビ画面を見た。

先頭を走っていたはずの、ヴァンダレイ・デ・リマが
コース上から消えているではないか。
女子のラドクリフみたいに棄権したわけでもなかろうに、
などと思っているとデ・リマはコースに再復帰したが、
明らかに何か様子がおかしい。
リプレイが出て、初めて様子がわかった。
デ・リマは突如現れた闖入者によって、
コース脇に押しやられていたのだった。
結局、この一件が響いたか、デ・リマは3位に落ち、
銅メダルに終わってしまった。

で、その闖入者に、このほどギリシャの裁判所から
禁固1年執行猶予付き)と罰金3千ユーロ(約40万円)の判決が下った


デ・リマは、このアクシデントにもかかわらず、
レースを捨てずに最後まで走りきり、
ゴール直前には、ブラジルのサッカー選手がゴールした際によくやる
「飛行機ポーズ」をやったり、パナシナイコスタジアムの観衆に向けて
投げキッスを贈るなどしていた。
ゴールの際にも彼は決して怒ることはなく、笑顔を振りまいていた。

そんなデ・リマにIOCは、五輪精神を広めた功績を称えるための
クーベルタン・メダル」という独自のメダルを贈った。
言うまでもなく、近代五輪の祖、クーベルタン男爵の名を冠するメダルだ。

「五輪で金メダルを獲るのは難しいのだと、神が私に与えた試練。誰も恨みはしない」
後にそう語ったというデ・リマ。
あのレースでいちばん輝いていたのは、間違いなくデ・リマその人だった。
posted by KAZZ at 21:01 | 島根 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | その他のスポーツ このエントリーを含むはてなブックマーク
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