2005年05月19日

前園真聖、現役引退

元横浜フリューゲルスの前園真聖が、現役引退を表明した

31歳。これを早いと見るか遅いと見るかは人それぞれだが、
セルビア・モンテネグロのクラブで受けたトライアウトに
合格できなかったことをきっかけに、彼も覚悟を決めたらしい。

個人的に、前園は好きなプレーヤーの1人だった。
野性味溢れる風貌で、相手DFを切り裂くようなドリブルを武器に
アクティヴな攻撃的MFとして大活躍していた。

横浜フリューゲルスが初めて優勝した天皇杯決勝で、
若かった彼は詰め寄ってくる鹿島アントラーズの選手たちを
手玉に取るようなドリブルを見せ、国立競技場を湧かせた。

レゲエ好きのGK・森敦彦らと共に、
彼は若々しさ溢れるフリエの象徴的存在だった。

アトランタ五輪では、中田英寿らと共に
強力とされた攻撃陣の一翼を担っていた。
しかし残念なことに、前園の印象はさほどなかった。

更なるステップアップの機会を求めて、
フリューゲルスからヴェルディ川崎に移籍したが、
思えば彼はそこから徐々に道を踏み外したのかもしれない。

移籍当初は期待に違わぬ活躍をしていた彼も、
故障などが相次ぎ、出場機会を奪われていく。
彼は活躍の場を求め、ブラジルに行くことにした。
三浦知良がかつて在籍したことでもお馴染みのサントスや、
ゴイアスなどというクラブに在籍した。
その後、ポルトガルにも行ったが、うまくいかなかった。

そんな彼は2000年、J2に降格した湘南ベルマーレの一員になった。
ベルマーレでの彼を、私は一度だけ、生で見たことがある。
2000年11月下旬に、松江であった天皇杯1回戦。
地元の石見FCとの対戦に、ベルマーレが来ていた。

彼はその試合に先発出場した。
若い頃の売りだったキレキレのドリブルは無理にしても、
様々な経験を加味したプレーで見せてくれるものという期待はあった。

しかし、時間が経過するにつれて、
彼にそのような過大な期待をしない方がいいと思うようになった。
若いチームの中で、彼はもがいているような風だった。
一定の中断期間が設けられいるJ1と違って、
休みなく長丁場を戦うJ2では、プレーのスキルだけでなく
肉体的・精神的なタフネスも要求される。

けれども、あの日の彼には、そうしたものが感じられなかった。
与えられた場で、ただただ必死にサッカーにしがみついている、
そんな彼の姿しか見られなかった。とても、哀しい光景だった。

翌年、彼は再びヴェルディに戻るが、
その契約たるや、半年契約で450万円という、
以前の彼にしてみれば屈辱的とも言える内容だった。
(ちなみに、同じ頃ヴェルディに復帰した武田修宏は1年で650万円)
この契約をバネに、彼は必死にサッカーに打ち込んだ。

しかし、ヴェルディは彼との契約を延長しなかった。
2003年春、彼は韓国Kリーグの安養LGに移籍していた。
そこでのプレーぶりは、ほとんどと言っていいほど伝わってきていない。
調べてみると、こういう文章に出くわした。

翌年、彼は様々な噂(日本復帰など)が出た中で、
同じ韓国Kリーグの仁川ユナイテッドに移籍した。
背番号は「7」が与えられ、
年俸1億ウォン(当時約1千万円)+出来高払いということで、
それなりに注目されての移籍だったらしい。

だが、その仁川でも、彼は活躍できなかった。

Kリーグからも放り出された彼は、移籍先を探した。
一日でも長く、現役でやりたかった。
そして彼はセルビア・モンテネグロに渡った。
国内でも有数のクラブのトライアウトを受けたという。
合格すれば、同国リーグで初の日本人選手になる。
しかし、彼の夢は叶わなかった。

引退を決断した前園に今言えることは、
「お疲れ様」よりも、「よくやった」かもしれない。
有名選手だけに、いろいろ言われ、書かれてきたと思うが、
彼は本当は生真面目で一本気なのかもしれない。
だから、愚直にいろんな可能性に飛び込もうとしたのだろう。

現役選手としての後半生は、決して順風満帆ではなかったが、
様々な苦労をした分だけ、実りはあると思う。
その実りをどうやって活かすかは、前園次第だ。

次の進路では、それまでの様々な苦労を活かして
新しい前園真聖を見せてほしいものだ。
posted by KAZZ at 20:35 | 島根 ☁ | Comment(3) | TrackBack(0) | Jリーグ全般 このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
※いただいたコメントは全て拝読しております!
 ついに前園選手、引退なんですね。

 好きな選手の一人でした。こうした印象に残っている選手がピッチから去っていくのは淋しいです。

 一時のJリーグバブルに翻弄されてしまった感もあります。上手く時代の風に乗れなかった、と言えるのかもしれません。

 これまでにいろいろな経験を積んでいます。きっと良い指導者になれると期待しています。
Posted by 和田浜 at 2005年05月19日 21:35
個人的には、一度でいいから
全盛期の彼を生で見てみたかったのですが
(テレビでは再三にわたって見ました)
残念ながらそれは叶いませんでした。

いろんな苦労をしてきた彼ですから、
指導者になったら意外と成功するかもしれませんよ。
Posted by KAZZ at 2005年05月19日 21:48
http://www.nikkansports.com/ns/soccer/f-sc-tp0-050519-0025.html

ちなみに、ラモスからはこんな叱咤が。
何だかんだ言って、前園の力を認めていなければ
こんな発言にはなりません。
Posted by KAZZ at 2005年05月19日 21:50
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