2006年07月06日

【W杯TV桟敷観戦記・28】準決勝第2戦:ポルトガルvsフランス

2006ドイツW杯準決勝第2戦@ミュンヘン

ポルトガル 0(0−1,0−0)1 フランス

<得点>
POR)なし
FRA)ジダン(33'=PK)

<警告・退場>
POR)リカルド・カルヴァーリョ(83'・警告)
FRA)サハ(87'・警告)

<交代>
POR)13ミゲル→2パウロ・フェレイラ(62')、9パウレタ→11シモン(68')、6コスティーニャ→23ポスティーガ(75')
FRA)7マルダ→11ヴィルトール(69')、22リベリ→9ゴヴ(72')、12アンリ→14サハ(85')

<メンバー>
ポルトガル

先発
GK 1 リカルド
DF 5 フェルナンド・メイラ
DF 13 ミゲル(62' OUT)
DF 14 ヌノ・ヴァレンテ
DF 16 リカルド・カルヴァーリョ
MF 6 コスティーニャ(75' OUT)
MF 18 マニシェ
MF 20 デコ
FW 7 ルイス・フィーゴ
FW 9 パウレタ(68' OUT)
FW 17 クリスティアーノ・ロナウド

サブ
-- 2 パウロ・フェレイラ(62' IN)
-- 3 マルコ・カネイラ
-- 4 リカルド・コスタ
-- 10 ウーゴ・ヴィアナ
-- 11 シモン(68' IN)
-- 12 キム
-- 15 ルイス・ボア・モルテ
-- 19 ティアゴ
-- 21 ヌノ・ゴメス
-- 22 パウロ・サントス
-- 23 エルデル・ポスティーガ(75' IN)


フランス

先発
GK 16 ファビアン・バルテス
DF 3 エリック・アビダル
DF 5 ウィリアム・ガラス
DF 15 リリアン・テュラム
DF 19 ウィリー・サニョル
MF 4 パトリック・ヴィエラ
MF 6 クロード・マケレレ
MF 7 フローラン・マルダ(69' OUT)
MF 10 ジネディーヌ・ジダン
MF 22 フランク・リベリ(72' OUT)
FW 12 ティエリ・アンリ(85' OUT)

サブ
-- 1 ミカエル・ランドロー
-- 2 ジャン・アラン・ブンソン
-- 8 ヴィカシュ・ドラソー
-- 9 シドニー・ゴヴ(72' IN)
-- 11 シルヴァン・ヴィルトール(69' IN)
-- 13 ミカエル・シルヴェストル
-- 14 ルイ・サハ(85' OUT)
-- 17 ガエル・ジヴェ
-- 18 アル・ディアッラ
-- 20 ダヴィ・トレセゲ
-- 21 パスカル・シンボンダ
-- 23 グレゴリー・クーペ


<感想>

 ポルトガルの攻めの姿勢というのは、これがなかなかにエキサイティングで、実際の攻撃面でも結構活況を呈しているように見えるんですが、反面、エースストライカーとして前面に押し立てているはずのパウレタに、思ったよりもボールが行かないという面もあって、それ故に得点が思ったほど挙げられていないという部分が今大会では多々見受けられます。

 では何故、パウレタにボールが行かないのでしょう?

 フェリペ・スコラリさんは4−2−3−1風のフォーメーションを布いています。4はDFなのでここでは割愛しますが、問題は2から前ですね。
 2の部分にコスティーニャとマニシェ、3の部分に左からクリスティアーノ・ロナウド、デコ、フィーゴ(ロナウドとフィーゴはしょっちゅうポジションを入れ替えます)、そして1がトップのパウレタなんですが、見てる限り、2−3の部分だけでサッカーをやっているように見受けられるんです。つまり、1トップのパウレタが、蚊帳の外というか、置き去りにされているような感じがするわけです。
 確かにクリスティアーノ・ロナウドやデコ、フィーゴ、マニシェといった辺りは芸達者ですし、彼らだけでも十分にチャンスを作れると思うんですが、そこに最終兵器として強調されるべきパウレタが、どうしても入り込めていないように思えます。
 これは、ロナウドやフィーゴを含むMF陣の方に問題があるのか、パウレタの方に問題があるのか、そこのところは定かでないのですが、どうも何かが微妙に合っていない印象があって、だからこそパウレタの活躍の機会が奪われてしまった感はあります。

 で、フランスなんですが、このパウレタとそれ以外の攻撃に関わる選手たちとの、目には見えない微妙な意識のズレを巧みに衝いて、ポルトガルの攻撃陣に対して決定的な仕事をさせない手法を採ったようです。
 どういうことかというと、中盤である程度フリーハンドを渡してもいいので、そこから最終局面に向かうまでの要所で引き締めておけば、ポルトガルは怖くないと考えて守っていた、ということです。
 テュラムとガラスの2CBや、中盤の底にいたマケレレやヴィエイラ辺りの考え方は、イタリアのカテナチオ的な考え方を取り入れたものではないかと私は思うのですが、この辺が最後までキチッと徹底されていたため、それほど大きな危険はなかったということが言えると思います。

 ポルトガルは実際、よく攻めたと思うんですが、それはフランスの立場から言わせれば、攻めさせられたということにもなると思うんです。
 フランスにはイタリアのセリエA経験者が結構いて、その辺の考え方を比較的よくわかった選手が多いので、あるいはその手法をちゃっかりいただいた可能性はあります。
 逆に言えば、この戦法は精神的にかなりしんどい戦法であって、とにかく破綻を起こさないことが第一義として求められる以上、高いレベルでの集中力が要求されるんですが、経験豊かなテュラム、ヴィエイラ、マケレレなどという選手たち(そこにサイドバックのサニョルも含めて良いと思う)がドッシリと控えているために、特に目立った破綻もなく、無事にポルトガルの猛攻撃をやり過ごせたと考えられます。

 それと、デコに決定的な仕事をさせないことも、彼らの中ではたぶん重要視されていたと思います。フィーゴやロナウドが少々ドリブルで切れ込んできても、クロスの出し所を限定してしまえばどうってことないわけですが、デコのように発想の自由度が大きい選手を抑えるためには、デコに与えるフリーハンドの度合いを狭めるか、デコに対するリンクの範囲を狭めるかのどっちかで行くしかないと思うんです。
 で、見ていた限り、フランスが選択したのは後者のようでした。要はリンクマンとしてのデコの働きを抑えるために、デコへのリンクをできるだけ減らすように努めたというわけです。

 それらが上手く相乗効果を発揮して、フランスはポルトガルの攻撃をしのぐことが出来たと思います。これは、ある意味、フランスの叡知の勝利でしょう。
 フランスは実に強かで嫌なチームだと思います。アンリが前半にもらったPK(蹴ったのはジダン)にしたって、リカルド・カルヴァーリョの動きに注意を払ってのあのプレー選択ですから。
 一歩間違えばシミュレーションを取られかねない風でもあったプレーでしたが、イタリアvsオーストラリア戦でイタリアのグロッソのペナ内での突進に対する同様のファウルがPKを取られた前例から考えて、あれはPKになるしかなかったと思われます。

 ともかく、フランスが持ち前の強かさをフルに発揮して勝った試合だと思います。ポルトガルは、そんなフランスの術中に見事にハマったと言っていいのかもしれません。


<おまけ>
ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドは
どうもあのルーニー退場事件から完全にヒール化しちゃったみたいですね。
試合中、彼がボールを持つとブーイングがとにかく激しくて、
何だか可哀相な感じがしました。

あと、1998年のフランス大会に於ける優勝監督の
エメ・ジャケさん(日本代表監督候補にも名前の挙がった人)が
観客席にいたようです。
posted by KAZZ at 21:40 | 島根 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 2006W杯ドイツ大会 このエントリーを含むはてなブックマーク
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