2006年07月06日

【W杯TV桟敷観戦記・27】準決勝第1戦:ドイツvsイタリア

2006ドイツW杯準決勝第1戦@ドルトムント

ドイツ 0(0−0,0−0,0−0,0−2)2 イタリア

<得点>
GER)なし
ITA)グロッソ(119')、デル・ピエーロ(119')

<警告・退場>
GER)ボロフスキ(40'・警告)、メツェルダー(56'・警告)
ITA)カモラネージ(89'・警告)

<交代>
GER)18ボロフスキ→7シュヴァインスタイガー(73')、19シュナイダー→22オドンコー(83')、11クローゼ→10ノイヴィル(111')
ITA)9トーニ→11ジラルディーノ(74')、16カモラネージ→15イアキンタ(90')、20ペロッタ→7デル・ピエーロ(104')

<メンバー>
ドイツ

先発
GK 1 イェンス・レーマン
DF 3 アルネ・フリードリヒ
DF 16 フィリップ・ラーム
DF 17 ペア・メルテザッカー
DF 21 クリストフ・メツェルダー
MF 5 セバスティアン・ケール
MF 13 ミヒャエル・バラック
MF 18 ティム・ボロフスキ(73' OUT)
MF 19 ベルント・シュナイダー(83' OUT)
FW 11 ミロスラフ・クローゼ(111' OUT)
FW 20 ルカス・ポドルスキ

サブ
-- 2 マルセル・ヤンセン
-- 4 ロベルト・フート
-- 6 イェンス・ノヴォトニー
-- 7 バスティアン・シュヴァインスタイガー(73' IN)
-- 9 マイク・ハンケ
-- 10 オリヴァー・ノイヴィル(111' IN)
-- 12 オリヴァー・カーン
-- 14 ゲラルト・アサモア
-- 15 トマス・ヒツルスペルガー
-- 22 ダヴィッド・オドンコー(83' IN)
-- 23 ティモ・ヒルデブラント


イタリア

先発
GK 1 ジャンルイジ・ブッフォン
DF 3 ファビオ・グロッソ
DF 5 ファビオ・カンナヴァーロ
DF 19 ジャンルカ・ザンブロッタ
DF 23 マルコ・マテラッツィ
MF 8 ジェナロ・ガットゥーゾ
MF 16 マウロ・カモラネージ(90' OUT)
MF 20 シモーネ・ペロッタ(104' OUT)
MF 21 アンドレア・ピルロ
FW 9 ルカ・トーニ(74' OUT)
FW 10 フランチェスコ・トッティ

サブ
-- 2 クリスティアン・ザッカルド
-- 7 アレッサンドロ・デル・ピエーロ(104' IN)
-- 6 アンドレア・バルザリ
-- 11 アルベルト・ジラルディーノ(74' IN)
-- 12 アンジェロ・ペルッツィ
-- 13 アレッサンドロ・ネスタ
-- 14 マルコ・アメリア
-- 15 ヴィンチェンツォ・イアキンタ(90' IN)
-- 17 シモーネ・バローネ
-- 18 フィリッポ・インザーギ
-- 22 マッシモ・オッド


<感想>

 ヒール(悪役)とベビーフェイス(善玉)。精神的に強くいられる(主導権を握れる、と言い換えても可)のはどちらか、となった場合、大抵の場合はヒールの方だと思うんですよ。
 ベビーフェイスたるドイツは、国を挙げて「我が国が勝てる!」、「(決勝の地)ベルリンに行くのは我々の国だ!」とばかりの躁状態に、クリンスマン以下首脳陣も、選手たち自身も巻き込まれているのに対して、ヒールたるイタリアは、たとえ試合中に囂々たるブーイングを浴びたとしても、別に命まで取られるわけでもないし、普通に自分たちのサッカーに徹していれば勝機はあるだろう、と、わりと気楽に構えることができたと思うんです。
 そういう精神状態の差が、最終的な勝敗はもちろんのこと、試合そのものの流れも分けたのではないかと思ってみたりします。

 ドイツの方は、何が何でも勝ってベルリンに行く、という強い気持ちを表に出して戦うこと自体はいいと思うんですが、それが結果的に空転を生んだ感は否めません。
 例によってクローゼとポドルスキの2トップなんですが、この2人が、以前の試合だと有機的につながって、相乗効果を生み出せるように動けていたのに、この試合の2トップは単純に2枚のFWというだけでしかなかったような気がしてしまいます。

 逆にイタリアは基本的に4−2−3−1的な感じで、トーニを1トップのような形にして、トップ下にトッティ、両翼にグロッソ(デル・ピエーロ)とカモラネージ(イアキンタ)が裏を取ろうと狙う形で、これがともすると前にかかろうとするドイツの焦りを誘ったように思われます。
 実際にはトッティはさほど効いていたわけでもなく、むしろ彼の後ろにいたピルロの方が元気良く動けていた印象があります。そしてそのレジスタたるピルロが動けていたということは、裏を返せば彼に与えられたフリーハンドを活かせる機会が格段に多くなることであり、そこから(だけではないけれど)活路を見出す形で、グロッソやカモラネージ(どちらかといえばグロッソの印象が強い)がトーニを囮に裏を狙うというパターンで、「イタリアは守りだけでなく攻めも元気がいいぞ」というアピールをして、ドイツの守備に少しずつ不安を煽らせる方向に出たと思うのです。

 ドイツで1つ気になったのは、バラックですかね。彼はそもそもああやって下がり目に張っていてチャンスを演出する時に、機を見てズズッと前に出ていくようなプレーを売りにしていたのでしょうか。
 バラックが下がっていくこと自体は別にいいと思うんですが、彼が例えばケール辺りと干渉を起こして、却って攻撃に寄与しにくい状態になってしまったとしたら、どうなのかと。
 そう思うと、攻守に抜群の切り回しを見せるフリンクスの出場停止は、多少痛かったのかもしれません。フリンクスがいないことで、交通整理のできる中盤の選手がいなくなり、それが若干の混乱を招いた感はあります。

 そんなドイツも両翼を途中から変えて変化をつけてきました。左は安定的なボロフスキからシュヴァインスタイガーへ、右は切れ者シュナイダーから速さのオドンコーへ。
 この2つの交代は良かったんじゃないでしょうか。ただ、それでも2トップにボールが必ずしも回りきっていたわけではなく、それが結局膠着の一因を作った気はします。

 イタリアも似たようなもので、トーニに比較的ボールが行かないケースがでてきて、それじゃあと入れたジラルディーノも、それほど効果的に働けていたわけではありませんでした。

 ただ、イアキンタとデル・ピエーロの投入はヒットでしたね。イアキンタは本来FWですが、この日はカモラネージの役目を途中からやって、これがまたうまい具合にやれていた印象です。
 そして延長前半最終盤に入ってきたデル・ピエーロ。こちらはグロッソの役回りを多少アレンジして動いていた印象があります。

 このように両翼を変えてお互いに活性化を図ったわけですが、それが実ったのは、攻めつつも最後まで何一つ落ち着きを捨てなかったイタリアだったように思います。この辺はさすがですよ。
 ペロッタの1点目なんて、ピルロが落ち着いて球を捌いたところにペロッタがフリーでいましたし、デル・ピエーロの2点目にしても、相手DFを引きつけたジラルディーノが、走り込んできたデル・ピエーロに上手くパスを軽めに流したからこそ生まれたわけですし。
 ドイツに足りなかったのは、案外とこういう落ち着きだったのかな、と思います。

 ともかく、好ゲームでしたが、最後は精神的な落ち着きの差が出た感じがしました。


<おまけ>
メルケル首相まで見に来てたんですがね、ドイツは・・・。
posted by KAZZ at 00:45 | 島根 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 2006W杯ドイツ大会 このエントリーを含むはてなブックマーク
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