2006年06月23日

【W杯TV桟敷観戦記・18】予選RグループF第6戦:日本vsブラジル

2006ドイツW杯予選GL/Fグループ第6戦@ドルトムント

日本 1(1−1,0−3)4 ブラジル

<得点>
JPN)玉田(34')
BRA)ロナウド(44')、ジュニーニョ・ペルナンブガーノ(53')、ジルベルト(59')、ロナウド(81')

<警告・退場>
JPN)加地(40'・警告)
BRA)ジルベルト(44'・警告)

<交代>
JPN)8小笠原→6中田浩(56')、11巻→9高原(60')、9高原→16大黒(66')
BRA)8カカ→11ゼ・ロベルト(71')、10ロナウジーニョ→20リカルジーニョ(71')、1ジダ→12ロジェーリオ・セニ(82')

<メンバー>
日本

先発
GK 23 川口能活
DF 14 三都主アレサンドロ
DF 19 坪井慶介
DF 21 加地亮
DF 22 中澤佑二
MF 7 中田英寿
MF 8 小笠原満男(56' OUT)
MF 10 中村俊輔
MF 17 稲本潤一
FW 11 巻誠一郎(60' OUT)
FW 20 玉田圭司

サブ
-- 1 楢崎正剛
-- 2 茂庭照幸
-- 3 駒野友一
-- 4 遠藤保仁
-- 6 中田浩二(56' OUT)
-- 9 高原直泰(60' IN → 66' OUT)
-- 12 土肥洋一
-- 13 柳沢敦
-- 15 福西崇史
-- 16 大黒将志(66' IN)
-- 18 小野伸二


ブラジル

先発
GK 1 ジダ(82' OUT)
DF 3 ルシオ
DF 4 ジュアン
DF 13 チチーニョ
DF 16 ジルベルト
MF 8 カカ(71' OUT)
MF 10 ロナウジーニョ(71' OUT)
MF 17 ジルベルト・シルヴァ
MF 19 ジュニーニョ・ペルナンブカーノ
FW 9 ロナウド
FW 23 ロビーニョ

サブ
-- 2 カフー
-- 5 エメルソン
-- 6 ロベルト・カルロス
-- 7 アドリアーノ
-- 11 ゼ・ロベルト(71' IN)
-- 12 ロジェーリオ・セニ(82' IN)
-- 14 ルイゾン
-- 15 クリス
-- 18 ミネイロ
-- 20 リカルジーニョ(71' IN)
-- 21 フレッド
-- 22 ジュリオ・セザル


<感想>
 マスコミの空騒ぎなど正直どうでもいいと思いつつ、冷静に(でも応援マインドは熱く)試合を見てたんですが、時間の経過と共に何もかも冷めてしまった自分がそこにいたように思いました。

 思えば、ジーコジャパンの4年間というのは、常に「闘いの『軸』を探し続けた4年間」だったように思います。言い換えれば、国際舞台での闘いに必要な確固たる「軸」が、ジーコジャパンには最後まで見つけられなかったということになります。
 考えてもみてください。DFラインを4枚にするか3枚にするかなんていう、きわめて基本的な戦術の土台すら、本番になっても揺れたんですよ。そんなことでさえ「軸」を据えることができなかったのに、何故他のことに軸が据えられると思いますか?

 そんなあやふやな状況下で、「自由」の名の下にポーンと放任されたって、選手も戸惑うだけですよ。そもそも、こんな無責任はあり得ないんです。
 ジーコが理想とすることが代表の全員にできるわけではありません。自ずと個の力には限度が生じるのですから、そこをどうやって組織力で埋めていくか。
 そういう視点がジーコにはなかったように思います。だから、確たる戦術や戦略の軸も決めることができず、糸の切れた凧みたいに、その場しのぎでフラフラと戦い方を動かしていくしかなかったのです。

 この試合で日本に見せ場があったとしたら、玉田が得点をした時だけです。あれはなるほど、爽快なゴールだったと思いますよ。決定力が致命的に不足しているなどと言われてきたそれまでの鬱憤を晴らすに相応しい、見事なゴールでした。
 でも、その一発の花火しか打ち上げられなかったのです。そこから先は、ブラジルの独壇場であったし、それを許さざるを得ない日本の甘さだけが目についたとも言えます。

 前半ロスタイムにロナウドに同点ゴールを許した時、まだ試合は決してもいないのに、下を向いている選手がいたように見えました。
 程なく前半終了の笛が吹かれ、帰ってくる選手の中にもそういう態度を見せる選手がいたと、テレビの解説者が指摘していました。
 キツいことを言うなら、そんなメンタリティで試合に臨むような代表など、真の代表ではないということです。1点取られたら2点取り返す、ぐらいの強気を見せてほしかったんです。たとえそれが虚勢やハッタリでもいい。「俺たちは未だ諦めてなどいない」と、堂々たる態度で示してほしかった。
 それができない段階で、既に負けは確定していたようなものです。後半の日本代表は、まるでブラジル代表のスパーリングパートナー、いや、噛ませ犬みたいなもので、見るに忍びないだけでした。

 アッという間に2点を奪われ、カカやロナウジーニョを下げられても、抵抗さえできない。交代で出ていった高原に至っては、先日のマイケル・オーウェンみたいに故障をしてしまい、6分足らずで引っ込んでしまう。
 止めはロナウドの2点目。味方とのパス交換の際に、見るからに膨脹した身体でドスドス動いているロナウドに、誰も何の抵抗もできないんですよ。
 更にロナウドがショットモーションに入る際に、中澤が目の前にいて、その気になればコースを塞ぐアクションだってできただろうに、それさえしなかったんです。
 確かに疲弊はしていたでしょう。集中力も落ちていたでしょう。でも、そんなことは何の言い訳にもならないし、そもそもあってはいけないことだったんですよ。まして中澤は、出場停止の宮本に代わってゲームキャプテンを任ぜられた身です。身を挺してでも止めに行かなければいけなかった。それが結果としてファウルを取られたとしても、です。

 我々はこんなショボイ連中を応援していたわけではなかったのに、と、ある種の怒りにも似た感情が湧いてきました。
 でも、たかが1人がテレビの前で怒ってみたところで、それがドルトムントの連中に伝わるはずもありません。
 そうして試合は終わりました。残ったのは疲弊した11人の青いユニフォームの男たちと、1−4というスコア以上の完敗という結果だけ。

 試合後、中田英寿がピッチの上で倒れ込んで、しばらく起きあがれなかったシーンが映し出されました。このシーンを結構美化して見ている人が多いように思うんですが、私の見方は少し違いました。
 そんな無常感に浸ってるヒマは何処にもないんだぞと思っていたのです。無論、ヒデの無常感や悔しさは計り知れないでしょうし、ああいう行動に出たくなる気持ちもわからないわけではありません。
 しかし、この事実を前にしても、なお日本代表というチームは続いていくのです。いや、続いていかなければならないのです。
 ピッチの中で絶対君主的に振る舞ってきたリーダーたる中田英寿だからこそ、最後まで強気を捨てないでほしかったし、それを態度で示してもらいたかった。
 彼のこの大会に対するセンティメンタリズムは、別の場所で、彼1人がそっと示せば、それで良かったんですよ。

 でもまあ、選手を責めても仕方がありません。結果は結果なのです。彼らは個々にそう思って真摯に受け止めるしかない。
 むしろ、JFA、マスコミ(電通も含む)、そして我々サポーターが、もっと彼らを育てていかなければいけなかったんです。でも、それはとうとうできなかった。
 この結果の責任は、選手や監督だけではなく、何らかの形で日本代表に関わりを持った全ての人間が連帯して負うべきものなのです。

 今日から、次の4年に向けて、新たな一歩を踏み出さなければいけません。時は待ってくれないし、誰も次の4年の保証をしてくれるわけでもありません。
 ただ、次の4年後に再びワールドカップ本大会のピッチ上に青いユニフォームの勇者たちが立って、力強い勝ち鬨を上げることができるように、応援する誰もが彼らを育てていく必要性を痛感しました。
 日本代表は、JFAのものでも、その監督になる人間のものでも、マスコミや電通のものでも、サポーターだけのものでもありません。

 日本国民のための、日本代表なんですよ。

 そこを、私たちは間違えないようにしたいものです。


<おまけ>
ワールドカップは、まだまだ続きます。
この観戦記も、当然続行しますよ。
posted by KAZZ at 21:36 | 島根 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 2006W杯ドイツ大会 このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
※いただいたコメントは全て拝読しております!
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※半角英数字のみのコメントは投稿できません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。