2006年06月23日

【W杯TV桟敷観戦記・17】予選RグループE第5戦:チェコvsイタリア

2006ドイツW杯予選GL/Eグループ第5戦@ハンブルク

チェコ 0(0−1,0−1)2 イタリア

<得点>
CZE)なし
ITA)マテラッツィ(26')、インザーギ(87')

<警告・退場>
CZE)ポラク(34'・警告)、ポラク(44'・警告×2→退場)
ITA)ガットゥーゾ(30'・警告)

<交代>
CZE)8ポボルスキー→17シュタイネル(HT)、15バロシュ→14ヤロリム(63')、5コヴァチ→18ハインツ(77')
ITA)13ネスタ→23マテラッツィ(17')、11ジラルディーノ→18インザーギ(60')、16カモラネージ→17バローネ(73')

<メンバー>
チェコ

先発
GK 1 ペトル・チェフ
DF 2 ズデニェク・グリゲラ
DF 5 ラドスラフ・コヴァチ(77' OUT)
DF 6 マレク・ヤンクロフスキ
DF 22 ダヴィッド・ロゼーナル
MF 8 カレル・ポボルスキー(HT OUT)
MF 10 トマシュ・ロシツキー
MF 11 バヴェル・ネドヴェド
MF 19 ヤン・ポラク(44' Send Off)
MF 20 ヤロスラフ・プラシル
FW 15 ミラン・バロシュ(63' OUT)

サブ
-- 3 パヴェル・マレシュ
-- 4 トマシュ・ガラシェク
-- 7 リボル・シオンコ
-- 9 ヤン・コラー
-- 13 マルティン・イラネク
-- 14 ダヴィッド・ヤロリム(63' IN)
-- 16 ヤロミール・ブラジェク
-- 17 イリ・シュタイネル(HT IN)
-- 18 マレク・ハインツ(77' IN)
-- 23 アントニン・キンスキー


イタリア

先発
GK 1 ジャンルイジ・ブッフォン
DF 3 ファビオ・グロッソ
DF 5 ファビオ・カンナヴァーロ
DF 13 アレッサンドロ・ネスタ(17' OUT)
DF 19 ジャンルカ・ザンブロッタ
MF 8 ジェナロ・ガットゥーゾ
MF 16 マウロ・カモラネージ(73' OUT)
MF 20 シモーネ・ペロッタ
MF 21 アンドレア・ピルロ
FW 10 フランチェスコ・トッティ
FW 11 アルベルト・ジラルディーノ(60' OUT)

サブ
-- 2 クリスティアン・ザッカルド
-- 6 アンドレア・バルザリ
-- 7 アレッサンドロ・デル・ピエーロ
-- 9 ルカ・トーニ
-- 12 アンジェロ・ペルッツィ
-- 14 マルコ・アメリア
-- 15 ヴィンチェンツォ・イアキンタ
-- 17 シモーネ・バローネ(73' IN)
-- 18 フィリッポ・インザーギ(60' IN)
-- 22 マッシモ・オッド
-- 23 マルコ・マテラッツィ(17' IN)


<感想>
 実際のところ、この試合は何が流れを決める大きな要素だったのか、と考えてみるに、置かれた立場の違いから来る両チームの選手の微妙な余裕の違いにあったんじゃないかと思えてなりません。
 イタリアは星勘定の上ではそれなりに有利だったのに対して、チェコは何を置いてもまずは勝利ありきで行かなければいけなかった。その辺の機微の違いが、試合にまんま出てしまった可能性は高いです。

 チェコもイタリアも、まずは腹を探り合う展開から入っていきましたが、お互いに中盤を分厚くしてしまった結果、変に身動きの取りづらい、ギクシャクした展開になっていた感はありました。
 ただ、その形に幾分の慣れがあるチェコに流れは向くのかな、とは思ったのですが、しかしイタリアも守備に関しては伝統の手堅さがあるわけで、膠着状態の長い試合になるかもしれないなと思っていました。
 とはいえ、前半20分にもならない段階でDFの要の1人、ネスタが故障で引っ込んでしまって、イタリアとしては1つのピンチだったかもしれません。

 ところが、サッカーなんて何が幸いするのかわかりません。ネスタの代わりに急遽投入されたマテラッツィが、CKを頭で合わせて先制点を取ってしまうのですから。
 マテラッツィの得点シーンを見てましたが、ジャンプした状態で頭1つポーンと抜けてるんですから。身長も相当高いみたいですが、飛んだタイミングも良かったのかもしれませんね。

 チェコは、ネドヴェドが中心になって攻めをまとめているように見えました。彼の奮闘ぶりはこの試合の華でした。時にオーソドックスに、時にラディカルに、相手の裏をかくプレーで、勝手知ったるイタリア人たちを翻弄せんと試みるネドヴェドは、この舞台を楽しむと共に、どうあっても勝ってやろうとするギラギラした執念も出していたような気がします。
 たぶん、初戦のアメリカ戦で脚光を浴びたロシツキーとの明確な違いがあるとしたら、そんなギラついた執念の有無なんだろうと思います。
 ロシツキーはまだ若いので、チャンスは如何様にも作れそうですが、ネドヴェドは年齢(33歳)的に今後もW杯に出場できるかどうかは微妙なところです。しかも一度は代表引退を表明したこともある身です。
 それでも、ネドヴェドはやるしかなかった。だから、疲労困憊の体になっても、最後まで勝負を捨てようとしなかったんだと思います。

 そんなネドヴェドに引っ張られて、チェコは必死に反撃を試みていくんですが、前半の終盤にポラクが2枚目の警告を受けて退場させられたのを機に、試合は思わぬ方向にシフトしてしまいました。

 勝ちに行くしかないチェコ、当初の余裕が更に拡大された感のあるイタリア。両者の精神状態の違いは、徐々にプレーに対する余裕になって表れてきます。
 ただまあ、それがワールドカップだと言ってしまえばそれまでなんですが、イタリアは実に容赦がなく、そしてえげつない守備で、チェコに容易に前を向かせません。
 ガットゥーゾみたいにカードをもらおうが何しようが全くプレースタイルの変化しない人はともかく、そうでない他の選手も、さすが「カテナチオ」のお国柄なのか、キチッとチームを引き締めてきました。

 そこへ行くと、イタリアの前線にいるジラルディーノやトッティなどという選手たちには物足りなさが目立ちました。
 ジラルディーノに関しては、一言で言えば、単に前線にいるだけの選手という印象しかなく、ACミランで将来を嘱望される有能なストライカーとしての姿は、微塵も感じられませんでした。
 そしてトッティ。何処か微妙に身体が重そうな雰囲気のあった彼は、プレーぶりがどうにも淡泊な印象しか持てませんでした。中盤に混ぜ込まれてはいましたが、彼は実質トップの一角として試合をやりたかったんじゃないかと思われてなりません。
 しかし、そうやって前線に顔を出すという希望が後半は特に叶ったわりに、ショットに思い切りがないというか、何かとりあえず打ってみたよというような入れ込みの足りなさが目につきました。

 逆に途中出場のフィリッポ・インザーギが素晴らしかったです。強かにゴールを狙おうとするインザーギは、前への意欲がジラルディーノやトッティなどとは何か違うんですよ。
 彼による2点目なんて、その飛び出しも上手かったと思うけれど、もっと上手いと思ったのは、打ち気に逸らず落ち着いてゴールを決めることだけに専念したという点で、ベテランの味を見せられた気がします。

 結局、チェコはグループリーグ敗退が決まりましたが、このチームにはある種の可能性があると考えます。ネドヴェドらのベテランが代表を去ったあと、どんなチームを作ってくるかにもよりますが。


<おまけ>
試合終了直後に、闘いを終えたネドヴェドの元に
セリエAで共に闘ってきたイタリアの代表選手たち
(特にユヴェントスのチームメイトたち)が駆け寄って
抱き合うシーンがあったんですが、あれは美しかったですね。

見ていてジーンときちゃいましたよ。
posted by KAZZ at 01:57 | 島根 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 2006W杯ドイツ大会 このエントリーを含むはてなブックマーク
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