2005年01月29日

GET YER YA-YA'S OUT : THE ROLLING STONES

さて、いよいよデッカ時代の終焉がやってきました。
今日御紹介するのはライヴ盤「GET YER YA-YA'S OUT」です。

[曲目紹介]
1 : Jumpin' Jack flash (Mick Jagger / Keith Richard)
2 : Carol (Chuck Berry)
3 : Stray cat blues (Mick Jagger / Keith Richard)
4 : Love in vain (Robert Johnson)
5 : Midnight rambler (Mick Jagger / Keith Richard)
6 : Sympathy for the devil (Mick Jagger / Keith Richard)
7 : Live with me (Mick Jagger / Keith Richard)
8 : Little queenie (Chuck Berry)
9 : Honky tonk women (Mick Jagger / Keith Richard)
10 : Street fighting man (Mick Jagger / Keith Richard)

[プロデューサー]
ローリング・ストーンズ、グリン・ジョンズ

[アルバムについての感想]
 ギターを両手に持って、アンクルサムみたいな格好ではしゃぎつつ
その場でジャンプしているチャーリー・ワッツと、ドラムスやギター
を載せられたロバという、何だか妙なデザインのカバーフォトで有名
な作品ですね。

 原則的には、1969年11月のマジソンスクエアガーデンでの公
演が収録されていて、T−4だけその前のボルティモア公演を収録し
ているのだそうです。
 確かに、このアルバム、非常に評価が高いようで、多くの人が熱烈
な賛辞を送っているようなのですが、その一方で、私個人としては、
何かが違うような気がしてならんのです。

 その原因は、1969年の12月にカリフォルニアのオルタモント
であったライヴを、映画「ギミー・シェルター」で見てしまったせい
ではないか、と私は思っています。
 確かに、このアルバムに表現されているストーンズは、世界最高に
して最強のロックンロールバンドとしての風格をたたえ、誰が見ても
それを納得できるだけの根拠に溢れた演奏を披露しているのですが、
一方でそのオルタモントでのストーンズは、たった数週間前の自信は
いったい何処に行ったのかと言わんばかりの辿々しさと、ナーバスさ
を表に出してしまっているのです。

 オルタモントのステージで、「悪魔を憐れむ歌」を演奏しようとす
るその時、客席で騒ぎが起きてしまいます。セキュリティを担当して
いた暴走族のヘルズ・エンジェルスが、ムチャな方法でこれを鎮圧し
ようとして騒動が拡大してしまうのですが、そこで演奏を止めさせた
ミックは、「シスターズ、ブラザーズ&シスターズ!」などと懇願調
に叫び、事態の収拾を図ろうとします。
 たったこの前まで、世界最強のロックバンドのフロントマンだった
はずの男が、無秩序にさざめく観客にナイーヴな懇願をするなんて、
それは違うでしょう。
 映像では、ミックがひたすらオロオロしているのが克明に映し出さ
れていて、横では傍観者然としたキースがいるのですが、騒ぎにたま
りかねて「ヤツらを静かにさせないと、俺たちは演奏しないぜ」と、
強気に言い放ちます。
 その後、事態は一度収束し、演奏は続行されるのですが、ミックは
あやふやに歌ってしまうなど、動揺を隠せません。
 続いての「アンダー・マイ・サム」も、演奏の方はレイジーでルー
ズなグルーヴが実に素晴らしいのに対し、ミックの歌はどこか所在の
なさそうな雰囲気です。
 ちなみに、有名になった殺人事件は、この曲の最中に起きています。

 長々とオルタモント事件を引き合いに出して申し訳ないのですが、
このアルバムがストーンズの自信の表れだとすると、オルタモントの
ライヴ(「ギミー・シェルター」)は、ストーンズの栄光に差す翳り
のようなものと考えられるべきで、本来ならば、このアルバムを語る
には、映画「ギミー・シェルター」と1セットでなければならないの
ではないかと、私は考えてしまうのです。
 つまり、ストーンズの光と影を示す、この2つのサンプルを、同じ
土俵に乗せた上で検証した方が良い、ということです。

 そのような考え方で行くと、このアルバムは確かに素晴らしい作品
であるけれど、しかしそこに表現されている音は、ストーンズの半分
ぐらいしか表現していない、という言い方が可能なのではないかと、
私には思えてしまうのです。

 ぜひ機会があれば、映画「ギミー・シェルター」も御覧ください。
このアルバムでは見えてこないものが、見えてくるはずです。

[個人的にお勧めの曲]
 T−5、6ですね。この2曲は掛け値なしに素晴らしい名演ですよ。

[聴いとけ度]
★★★★

次回は「STICKY FINGERS」です。
そう、ファスナーのついたジャケットでお馴染みのあれですね。
デザインしたのは、アンディ・ウォーホルです。
posted by KAZZ at 20:04 | 島根 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | THE ROLLING STONES このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
※いただいたコメントは全て拝読しております!
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※半角英数字のみのコメントは投稿できません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。