2005年01月26日

THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST : THE ROLLING STONES

今回は「THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST」です。
ファンの間では一般的に、きわめてウケの悪いアルバムとして有名ですが、
果たして本当にそんなクソアルバムなのでしょうか?

なお、このアルバム以降は、基本的に英米とも同一シーケンスになります。

[曲目紹介]
1 : Sing this all together (Mick Jagger / Keith Richard)
2 : Citadel (Mick Jagger / Keith Richard)
3 : In another land (Bill Wyman)
4 : 2,000 man (Mick Jagger / Keith Richard)
5 : Sing this all together (See what happens) (Mick Jagger / Keith Richard)
6 : Cosmic Christmas (We wish you a merry Christmas) (not credit)
7 : She's a rainbow (Mick Jagger / Keith Richard)
8 : The lantern (Mick Jagger / Keith Richard)
9 : Gomper (Mick Jagger / Keith Richard)
10 : 2,000 light years from home (Mick Jagger / Keith Richard)
11 : On with the show (Mick Jagger / Keith Richard)

※ちなみにT−6は、実際にはT−5と一括りに収録されています。

[プロデューサー]
ザ・ローリング・ストーンズ

[アルバムについての感想]
 たぶん、このアルバムは、ストーンズが最も自由に音作りをしたであろう、
最初で最後のアルバムではないか、というのが私の考え方です。
 デビューからずっとマネージメントとプロデュースを請け負ってきた盟友の
アンドリュー・ルーグ・オールダムとの関係に飽き飽きした彼ら(実際、彼の
仕事ぶりは、少なくとも音楽的には寄与が薄すぎた)は、アラン・クレインの
登場により、オールダムと決別することにしたそうです。
 スタジオに現れたオールダムを追い出した彼らは、手っ取り早く「やりたい
ことを、やりたいようにやる」ことに決め、そのためにプロデュースをバンド
自身でやり、エンジニアのグリン・ジョンズには文字通り、録音技師としての
役目しか与えなかったというわけです。

 1967年は、昨日も書いたようにストーンズにとって激動の1年でした。
ミック、キース、ブライアンがドラッグの不法所持で逮捕され、オールダムと
の決別もありました。
 新マネージャーのアラン・クレインは有能だったものの、単に金儲けにしか
興味がなく(少なくともストーンズがそのことに気づくのは2年ぐらいあとの
話)、逮捕の一件に加え、キースにステディ(アニタ・パレンバーグ)を取ら
れたことで、ブライアンは強烈なダメージを受けてしまいました。

 そういう環境下において作られたこのアルバムには、秩序が全くありません。
これこそまさに、音楽におけるアナーキズムの体現なのです。
 この時期といえば、ビートルズの「Sgt.Pepper's lonely hearts club band」
があまりにも有名なんですが、このアルバムは、そういう小綺麗にまとまった
「出来のいい上品な」サイケデリックの要素をまぶした「ポップロック」を、
冷淡に笑い飛ばすような、不気味なパワーがあったりします。

 確かに、ストーンズの歴史においては、異端の一枚かもしれませんし、これ
が彼らのファンの多くに不評を買っているというのも事実でしょう。
 けれども、このアルバムには、他のどのアルバムにもない「自由」が溢れて
います。コンセプトアルバムの体裁こそ取っていますが、そんなものは彼らに
とって、本当はどうでもいいことであり、ただ、自分たちでやれるところまで
やっちまえ的な無軌道な「自由」こそが、このアルバムの隠れたテーマとして
厳然と横たわっているように思うのです。

 どんな状況も関係なく(たとえギターのスイッチング音がモロバレであろう
とも)、ありのままをぶち込んだ結果、無軌道な「自由」を体現した、音楽的
アナーキズムの昇華としてのアルバムが出てしまったのです。

 私はこのアルバムを、かなり最初の頃に入手したんですが、最初のうちは、
「何だこの変なアルバムは」と思って小馬鹿にして聴いていたものです。
 しかし、年月が経ち、改めてちゃんと聴いてみると、このアルバムの恐ろし
さが見えてきたわけです。

 バカにすることなく、一度ぐらいはちゃんと聴いてみることをお勧めします。
少なくとも、このアルバムにおけるストーンズは、何物にも縛られず、気楽に
「自由」を謳歌していることがわかると思いますよ。

[個人的にお勧めの曲]
 この作品に関しては、個別に曲をお勧めすることはしません。最初から最後
まで、ぶっ通して聴いてみてください。

[聴いとけ度]
★★★★★

次回は「BEGGARS BANQUET」です。
ここからしばらくは、最強の作品群が続きます。
posted by KAZZ at 21:12 | 島根 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | THE ROLLING STONES このエントリーを含むはてなブックマーク
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