電子部品大手のTDK(東京都中央区)は、経費削減の一環として、にかほ市に本拠を置き、日本フットボールリーグ(JFL)に所属するサッカー部の運営から撤退することを決めた。2009年のシーズンが終了する09年12月以降、事実上廃部とする。サッカー部は県内の民間組織へ譲渡し、クラブチームに移行させたい意向だ。
TDK秋田総務部によると、撤退は1月28日、TDK本社で社長ら役員による経営会議で正式決定され、同部は29日に本社から連絡を受け、監督、選手に伝えたという。
JFLは、シーズン中の全34試合のうち17試合を沖縄や鳥取など全国各地を移動して戦うため、遠征費や人件費などに年間1億円前後の運営経費がかかるといわれる。TDKは経営環境が厳しさを増す中、サッカー部の経費を工面することは難しいと判断した模様だ。
TDKは3月末までに県内のグループ15工場で計約320人の派遣社員を削減し、100%出資の子会社TDK―MCC(にかほ市)が8月末で下請け企業との取引契約を打ち切る予定。
TDK秋田総務部は「社を挙げた経費削減の中、スポーツ部門だけを除外するわけにはいかなかい。09年シーズンの支援は相当減額する予定だが、選手の処遇については譲渡する民間の運営会社が設立され次第、協議する。09年シーズンの給与に関しては言えない」と説明している。
一方、突然の撤退に、県サッカー協会の熊谷明夫専務理事(62)は「開幕が目前に迫ったこの時期に、撤退するからあとはよろしくと言われても対応できない。手塩にかけて地域リーグからJFLまで育てたチーム。地域に根ざしていたのに丸投げは信じられない」と戸惑いを隠さない。
熊谷専務理事によると、1月23日、TDK本社役員らが秋田市の県サッカー協会を訪ねて来て、撤退方針を伝え、「TDKというチーム名を外してもらっても構わない」と言われたという。
現在、サッカー部の受け皿となる民間組織は見つかっておらず、運営経費を確保するめども立っていない。今後、募金活動をしたり、自治体や企業からスポンサーを募ったりして運営会社を設立し、10年シーズンからクラブチームとしての再出発を目指したいという。
TDKサッカー部は1965年に創設された。07年からJリーグの下部組織で、アマチュアリーグ最高峰のJFLに参加していた。昨年は10勝11分13敗、勝ち点41で、JFL18チーム中13位だった。
(上のリンク先から引用)
先日、アマチュア化及びチーム改組に向けた取り組みを始めた
バンディオンセ加古川に続いて、
今度はTDK SCがクラブ化を進めるようです。
但し、自ら積極的にそうなろうとしているのではなく、
止むに止まれぬ判断でそうなるようです。
御存知のように、TDK SCもTDKという企業の運動部ですから、
その活動に於いてはTDKという会社からお金を持ち出すことになります。
しかし、何せこの不況の御時世、企業の福利厚生とはいえ、
ここにかかるお金も相当な金額ですし、
それなら、TDKという企業から分離することによって、
TDKが負担している金額を減らして(あるいは、なくして)、
地元秋田県や県内企業などからサポートをしてもらうことによって、
クラブチームとして活動を存続する代わりに、
TDKとしては運営費負担を格段に減らそう、ということらしいです。
結果、TDK SCは2009年シーズン終了後に廃部、
その後は地元のクラブチームとして生まれ変わるという構想があるみたいです。
しかし、運営母体となり得る組織がすぐに出てくるわけもなく、
運営経費を捻出する手段も現状では持ち合わせていないようです。
このため、前途がかなり難しいように思えてきます。
秋田県では、他にもこんな話題がありまして。
社会人野球:強豪、ユーランドクが休部 /秋田(毎日.jp)
社会人野球チームのユーランドクラブ(秋田市)が休部することが3日分かった。
県野球連盟によると、1月30日にユーランドホテル八橋の松村譲裕社長が同連盟に休部届を出し、同日、受理された。休部届は東北野球連盟を通じ、日本野球連盟に出される。
ユーランドクは県内社会人野球の強豪。02年には全日本クラブ野球選手権東北大会で連覇を飾り、全国大会出場も果たしている。
松村社長は「遠征費の負担が大きかった。来年以降の見通しが立たなかった」と話している。【坂本太郎】
(上のリンク先から引用)
こちらは企業のスポーツ部活動ではなく、
社会人野球のクラブチームの話ですが、
これまた例によって運営費用(ここの場合は遠征費)の捻出に苦しみ、
結果、休部を余儀なくされています。
この厳しい御時世、どこも資金的に厳しいのはよくわかります。
こうした発表などがないクラブであっても、
厳しい状況の中で闘おうとしています。
なんとか光明が見つかればいいのですが・・・。